2017年1月18日水曜日

照沼重輝のアメリカ彷徨記(アムトラック)・・・26

2017.1.18水 快晴 午前6:56
 散々彷徨った山中の町からIN80号線に戻り、更に西に向かって走っていたら、眠気を
もよおし高速を降りて、高台の木陰の下で1時間ほどの睡眠をとった。1時間後に目を覚
まし、ぼんやりと下界を眺めていたら、長々と線路が日の上がる方から日の沈む方に伸び
ている。私は列車が来れば、アメリカ大陸横断鉄道の一コマが眺められると心が弾んだ。
期待通り列車が長い紐のようにくねくねとなりながら、こちらに来るのが目に入った。友に
「来た、アムトラックだ」と叫んでしまった。最初は一本の紐のように見えた列車は、近くに
なるに従って、紐から竜のようになってきた。これが有名なアメリカのアムトラックかと
感動して、アムトラックの線路の側道を走ってみようといたずら気を起こした。車のエンジン
をかけ、側道目指して走り、アムトラックと並列になれた。アムトラックの機関車の力強い
音が耳に入る、窓の中の乗客の顔が見える、その疾走から発生する疾風で側道の木々や
草が揺れる。私はその横をアクセルを踏み込み、並列縦走をし続けた。乗客が窓から私
達に手を振り、私たちもそれに応じ手を振った。まるでアムトラックに寄生する生物のように
なって走った。しかし、アムトラックのスピードに対応するのは大変であり、交通事故に
なりかねない走り方をしなければならない。私はスピードを緩め、アムトラックは大陸の
西にやがて消えていった。
  再びIN80号線に戻り、西のカルフォルニア州のサクラメントを目指した。州境まで
あと100km程度と分かり、アクセルを一寸踏み込んだ。次回はサクラメントの町を記し
ます。
               アメリカ・中国大陸馬賊隊・・・照沼重輝

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