2017年1月13日金曜日

照沼重輝のアメリカ彷徨記(灯りの望み)・・・23

2017.1.13金 快晴 午前6:54
 太陽は山陰に沈んだ。周りは暗くなり、月がそろっと出てきた。私はガソリンが無いことを
先ほどから悔やんでいた。早く満タンにしておけば良かったなと反省の心が起きていた。
暗闇をしばらく走ると道路の端に送電線が見えるようになり、人家かガソリンスタンドがある
はづと僅かの希望が出てきた。しかし、ガス欠のランプが先ほどから点いている。ランプが
点いてから30マイルは走るはづと考えれば、あと日本のkmで計算をすると50kmは走れ
るはずであると考えた。ランプが点いてから20kmは走っているので、残り30kmの間に
町かスタンドを見つけなければならない。10kmを余分の距離にすると、あと20kmは安心
して走れるはづであると判断をした。交互一車線の暗闇の道を走り続けたが、一台の車も
来ないし、果たして人家はあるのだろうかと不安がより増してくる。もしかすると、この電線は
奥地のダム等への公的施設への単なる送電線か、送電線の見分け方を勉強しておけば
良かったなとも思いながら前に進んだ。メーターを見ると、既に20kmは進んだと判断し、
いよいよガス欠往生かと覚悟をした。残りの10kmのガソリンで運命が分かれることになる。
最後の頼みは天の神様だ、宇宙に来ているわけでない、そこでガス欠になっても、季節は
秋だ。車中泊でも水が有り、多少の食料もある。アメリカ大陸での野営か車中泊を楽しめる
と考えるようになってしまった。正に楽観主義の真骨頂である。この貴重な経験を人生の
大教訓に出来る。日本からわざわざアメリカに来て、文化的旅行をするならば、私は不満足
感を持つべきと考えた。良いチャンスである。今日は野営か車中泊だと、思った瞬間に
田舎町の灯りが目に入ってきた。10kmの走行可能なガソリンを残して、その灯りに夜の
虫のような気分で目指したのであった。
               アメリカ・中国大陸馬賊隊・・・照沼重輝

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