2016年5月20日金曜日

照沼重輝の中国彷徨(長居は無用)・・・44

2016.5.20金 曇り 午前6:23
 東山温泉を出て、更に南の三亜に向かった。途中で黎族の支配する海の
見える観光地に寄ろうということになった。朝からびっくりしたことが二つあった。
一つは豚の話である。道路を腹が地べたまで垂れた豚がのんびり渡って
いた光景にぶつかった。話には聞いていたが、腹が地べたまで垂れさがる
なんて、日頃はどのような動きをしているのだろうと思った途端、腹の出てい
る友人が「人間も怠けるとあのようになってしまうのか」と呟いた。バスの
中がシーンと静まり返った。明日は我が身かの男が二人いたからである。
だが、俺もそのうちの一人である。朝から、微笑ましいのを見たが、淋しい
気持ちにもなってしまった。次は、海の見える観光地に入っていったら、
黎族の若者が経営している駐車場に向かってしまった。いや、向かう他
無いようにされてしまったのである。一本道のどこからか、突然現れた若者
三人が、ボンネットの左右に各一人、車の前方数メートルに一人がついて
我々の車を他の駐車場に入れないように邪魔して誘導するのであった。
我々日本人は無口になってしまった。俺は安徽省千島湖の台湾人の大量
殺人事件を思い出してしまった。船の中に数十名を閉じ込め、火をつけて
皆殺しにして、金銀を奪った事件でる。俺の頭は防御方法を構築し始めた。
彼らの腰の周りと、目の動きを観察した。彼らは駐車場に入れるのに真剣に
なっており、我々を閉じ込める次の作業の目配せや次のシグナルは発して
いないように見えた。やがて広々とした駐車場に入った。数十台の車が駐車
していた。車を停め、手を出していた黎族の娘に駐車料金を払った瞬間、
俺たちは安堵感を持った。次回は猿と鹿、黎族の子供の纏わりを記します。
          アメリカ・中国大陸馬賊隊・・・照沼重輝

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