2016年2月17日水曜日

照沼重輝の中国彷徨(農夫の水田作業)・・・15

2016.2.17水 晴れ 午後8:42
 市場を出た俺は上海に戻る準備をした。待っているタクシーに戻り、運転手に上海に戻る
ように指示をして後部座席に乗った。タクシーの窓から上海までの農村風景を眺めて寛い
だ。稲は緑色の穂先のてっぺんが青空に向かってツンと伸び、太陽と青空と緑に稲の調合
が鮮やかであった。その景色に俺も妙にウキウキしてきたのであった。窓を少し開けて、
その調合された空気を吸った。澄んだ空気が肺の奥まで入り、体内の臓器を洗っている
感じをもった。欲深に更に窓を開けて空気を吸い込んだ。俺の肺ももっともっとと新鮮な空気
を吸えとシグナルを俺に送ってきたが、外を見ると農夫が水田の雑草を抜いていた。足は
裸足のようであったが、その楽しそうな顔が私の脳裏に刻み込まれた。日に焼けた顔の
目玉が真っ白くて優しそうである。豊作を喜んでいるのか、生活に何か良いことがあったの
か分からないが農夫の喜色満面の顔に俺も微笑んでしまったのであった。農夫の仕草に
うっかりしていると、上海のビル群が目に入ってきた。それでも俺は農夫の笑顔のすばらしさ
にウットリしたのであった。
                   アメリカ・中国大陸馬賊隊・・・照沼重輝

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