上海のホテルで朝早くクラクションが煩くて目が覚めた。まるでクラクションコンクールの
ようであった。高層の窓から下を見ると、ドイツのワーゲン車が狭いストリートに並んでいる。
車の色はあずき色一色であり、通称カブト虫から一寸進化したようなワーゲン車である。
ゆったりの中国と思ったが、行きかう車や自転車は日本以上のスピード感があった。
俺は思わず現実へと戻ってしまった時、朝の空腹感も感じてしまったので、朝食の場に行こ
うと考え身支度準備にかかった。歯を磨き、顔を洗い、髭を剃り、昨夜からの下着を取り換え
朝食室に向かった。そこはヨーロッパ調の部屋であった。何でもこの建物はフランス商工会
議所会館を改造してホテルにしたという立派な建物である。朝食室で働いているスタッフは
超一級の身だしなみとマナーを身に着けているように思えた。
バイキング形式であったので出来るだけ腹に詰め込んだ。何故なら、その当時は中国の
外食は営業時間内に食べないと夕食まで食べ物にあり付けないという環境であった。
まるでフランスの超一級のホテルのようで、食べ物は何でも揃っていた。腹いっぱい詰め込
んだので楊枝を銜えて外に出た。恭しくスタッフの最敬礼で姿勢正しく外に出た。エレベー
ターに乗った途端に俺の姿勢はフニャフニャになるのであった。フニャフニャで部屋に戻り
食べ疲れをベッドの上で癒したのであった。
アメリカ・中国大陸馬賊隊・・・照沼重輝
ウイグル族の群れと交わる
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