2016年1月14日木曜日

照沼重輝の中国彷徨(食堂の裏舞台)・・・7

2016.1.14木 午前7:00
 俺はテーブールを1人抜け出して食堂の裏側に回った。敷地が糠っているので飛び
跳ねるようにして回った。裏側には調理師や若い女給たちが働いていた。調理室の床
はドロドロで調理台の上は食材料が乱雑に置かれていた。調理師は調理帽子を被っ
ている者もいれば被っていないものもいた。それから調理室が一杯で調理場所がない
ので、土の上に石を置いてその上に調理板を載せて調理をしている若い女子がいたの
で、覗き込んでみたらドジョウをハサミで裂いているのであった。ギョギョギョーである。
普通はドジョウを裂く時の調理刃物は包丁類と思っていたが、中国では調理しにくい
食材はハサミで調理するのかな思い、ところ変われば品変わるのなかと思ったが、
どうやら違うようであった。つまり人手不足を食堂勤務見習いの子供のような女子に
ドジョウを裂かせていたのである。見れば中学生のような子供である。忙しいので調理
見習いを兼ねて、食堂のイロハを教えているのであった。改めて子供の服装を見てみた
ら、髪にリボン、素足に安物のサンダル、服装は親に買ってもらったような簡素な服で
鼻をすすりながらの作業をしていた。
  俺はその現場からソーッと退却をした。理由は、どのような国やどのような職場でも
他人に見せたくない場面はあるだろうからと思ったからである。食堂の経営者や従業員
に何らかの影響を及ぼしてしまってたらすまないと思ったからである。それは1991年
の初夏に揚子江沿いを旅行している時の出来事でした。
西域の雰囲気の城塞
 

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