2015年12月23日水曜日

照沼重輝のアメリカ彷徨記(R66)・・・新48

2015.12.23水 晴れ 午前7:40
  R66が右前方に見えてきた。左右1車線の道路でどこまでも真っ直ぐに伸びている。
俺はしめたと思い高速の出口から出てR66に向かった。子供の頃テレビで見た懐かしい
R66の標識が高い電柱にも張り付けられていた。いつしか走ってみようと思っていたが、
こんなに簡単に乗れるとは思ってもいなかった。幸い田舎の鄙びた道路のように見える
ので、急いでいる人は来ないし、有名な箇所でもないので忘れられた道路になっている。
俺は映画の場面を思い出し飛ばした。ここまでは夢のようである。少年の頃に見た数々
のシーンを思い出して更に飛ばした。気が付くとメーターが100マイル辺りを指していた。
100マイルは日本でいうと160km程度になる。どうりでエンジンが唸っているはずだ。
周りの景色も見ないで神風になっていた。俺は呆れた。一人旅はいつも自分自身を
客観的に見ることを忘れる。小一時間ほど走ったろうか、道路の幾層の坂の頂上に
バイクのハーレーの集団が見えてきた。20人ほどが隊列を組んで走ってくる。大柄な
人ばかりだ。髭、派手な革ジャン、皮ブーツ、そっつり返ってハンドルを握っている。
ハーレーの乗り方は同じようなスタイルをする。俺は先頭の親玉に窓を開けて親指を立て、
ハイウエー独特の仁義を切った。脅されるか、応答をしてくれるか、心配であった。
  アメリカの道路上でのルールは俺は分からないが、よその土地ではどんな集団でも
頭を低くして入ればいちゃもんはつかないだろうと考えたのである。
               アメリカ・中国大陸馬賊隊・・・照沼重輝
















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