2015年9月23日水曜日

照沼重輝のアメリカ彷徨記(廉くして)・・・新22

2015.9.23水 晴れ 午後6:00
 水戸弁で・・・俺が畑に掘っている井戸が三日目に出たっぺ、真水が地下16mから滾々
と出てきたっぺ、井戸掘り屋が三日目に当てた水脈だ。自分自身で掘った初めての地下
水だ。今夜はその水で焼酎を割って乾杯をやっぺだねーか。
 アメリカ最南端のキーウエストのモーテルに泊まろうとしたが、高い泊り代を言われたの
で、思わず「高ーい」と言ってしまい、日本語で「まけろー」と言ってしまった。アメリカ人の
受付係は、「ワット」と言ったようなので、俺は慌てて「チープ・プリーズ」と叫んだ。アメリカ
人は「オーケー、150ドル」と言ったので宿泊することにした。アメリカでも有名なキーウエ
ストの町で泊り代をまけろと言う羽目になったが、容易くまけてくれたので、気を良くして
泊まることにした。高級モーテルなので洒落たプールが付いていたので、覗いたら5組の
アメリカヤングがキャキャと騒いで泳いでいた。その頭上に高かーいヤシの木が南
風に当てられて撓り、南国ムードを高めていた。部屋に入らず夕食の準備にハンドルを
握った。太陽が入るまでにまだ時間があったが、島の南へ南へ向かったところ、夕日の
沈む時間まで30分あることが分かったので、夕日がおがめる最良の地を選び、車を停
めて徒歩で最良のポイントに着いた。夕日は水平線から1mのところに落ちていた。
 俺は最南端の岸壁の上に立ち、いっぱしの東洋アメリカ人を気取り、アメリカ人のロマン
の熱気を浴びて、沈もうとする太陽を睨んだ。そーっと周りを観察し始めた。面白い風景
を見ることができた。それは明日に記す。
               アメリカ・中国大陸馬賊隊・・・照沼重輝
メキシコ湾のレッドスナッパー(赤魚)

2015年9月19日土曜日

照沼重輝のアメリカ彷徨記(キーウエストの町)・・・新21

2015.9.19土 ☁ 午前7:00
 キーウエストの町に難なく入れたのは、一本道のお蔭であった。町が遠くに最初に見えた
時は、町そのものが海の上に浮かんで見えた。近づくにしたがって感じたのは、蜃気楼で
見えるような感じであった。更に近くなると、海が遠のき、この世の町には見えず、海に
作った人口の町に見えたが、実はそうではなく、自然にできた人間が岩礁に住ませてもら
っているような所であった。南の植物がふんだんに生息し、空は青く、空気は塩分を含ん
だ南の島そのものである。それでもアメリカらしく豪華なヨットやクルザーが所々の浜に
係留され、主人の上船を待ち遠しく待っているようである。南の浜風に係留されたヨットの
ロープがピチンピチンと船体を打っている。まるで競争前の馬がパドックから今にも飛び
だしそうな雰囲気を感じた。街行く人の足はサンダルで靴を厳めしく履いている足は無か
った。カラフルなシャッツを着て、幅広い側道を闊歩しているアメリカ人は陽気そのもの
に見えた。アメリカ風情を横目に見て、車を一軒のモーテルに入れたが、どう見ても旅用
のモーテルでなく、観光用のモーテルである。夕方であったので、フロントが混んでいたの
で値段表を何気なく見たら、200ドル~と表示されている。驚きびっくり桃の助の日本人に
なった俺は、恐怖の声で「200ドル」と叫んでしまった。幸い日本語で言ったので、フロント
に気づかれずに終わったが、戻ろうか、部屋を取ろうか、迷ったが俺の受付の番がきて
しまった。ここ一番に発した言葉は次の言葉であった。
               アメリカ・中国大陸馬賊隊・・・照沼重輝

2015年9月13日日曜日

照沼重輝のアメリカ彷徨記(一路最南端へ)・・・新20

2015.9.14日 晴れ 午前6:50
 ハイウエーを南へ、南へ走ったが、どこまでも水ブッシュの湿った道路を走った。やっと、海
の上を走る道路に出た。キーウエストという島は東西5.5km、なんぽく2.5kmという島だ。
そこまで行くと、フロリダよりハバナに近いところである。昔は軍事上の島であったようだが、
今はリゾートの島となっている。物事にこだわらないアメリカ人の大好きな地でもある。
 老人と海、武器よさらば、誰がために鐘は鳴る等のヘミングウエーが住んでいたことでも
有名である。葉巻をもって犬を連れ、大きめのTシャッツを着て闊歩したい島であるので、
そこにひたすら向かっているのだ。こんな道路が地球上にあるのかと思いながら、海の上に
浮かぶ町を目指して走った。不思議な気持ちで走った。大海原の中に浮かぶ道路を周りの
礁を見ながら走った。道路幅は数メートルのところもあれば、数十メートルのところもあり、
何とも不思議な光景であった。空の青さに負けない紺碧の海面、ところどころのビーチは
真っ白な砂地、その横を昔の鉄道跡が走っていた。子供の頃の映画で見た場面を思いだ
しながら、南へ南へ走った。いい加減海の景色が飽きてきたころ、遠くの海に浮かぶ町が
見えてきた。やった、夢にまで見たキーウエストであり、キューバも近い距離である。
  今夜の宿探しに頭がいったので、モーテルの看板探しが始まった。次はキーウエストの
庶民生活とレジャーの様相を記します。
              アメリカ・中国大陸馬賊隊・・・照沼重輝

2015年9月11日金曜日

照沼重輝のアメリカ彷徨記(最南端に向かう)・・・新19

2015.9.12金 台風行く 午前7:00
 俺はオーランドのモーテルを心地良く出て、アメリカ最南端のキーウエストに向かった。
エンジン快調、窓を少し開けてフロリダの海風を取り入れ、IN95を南西に走った。途中の
景色は、抹茶色の沼や河と南国の植物が混ざった景色である。突然鰐が出そうな景色で
ある。そこを抜けると、湿原が果てしなくあった。人間ほどの身の丈の分からない大草が
伸びていた。よく見ると、その大草は水の上に生えていた。既に、モーテルを出て数時間
は経っているが、景色はあまり変わらない。アメリカは広い、地の果てまで走らないと景色
は変わらないようだ。日本は数時間で太平洋と日本海を拝めるが、アメリカは違う。大西洋
と太平洋を拝むのに、経験では10日かかった。朝に出て、昼を高速の上でいただき、夕日
が去りゆくまで走って,まだフロリダを抜けないのだ。そんなわけで、俺はやっと午後の三時
頃に、海の上を走るキーウエスト行きのハイウエーに乗れたのであった。
                アメリカ・中国大陸馬賊隊・・・照沼重輝
カリブ海の色

2015年9月5日土曜日

照沼重輝のアメリカ彷徨記(フロリダの素晴らしい朝)・・・新18

2015.9.10木 時々晴 午前6:40
 台風が来て日本列島は水の災害が起きている。幸い私は海抜20mにいるので被害なし。
時は3月下旬、アメリカの最南端に向かう途中であった。フロリダオーランドの朝の空は
群青色で私を迎えてくれた。窓から見える空と町並みは大変素晴らしく、ヤシの木が微風に
そよぎ、朝の太陽は優しく輝き、抜けるような青空も周りの景色と足並みを揃えてくれていた。
 ベッドから潔く離れ、朝の洗面を終わらせ、もう一度、アメリカ南国の景色を窓から再確認
をしたくなり、覗き込んだ。満足だった、アメリカフロリダの景色を予想してきたが、その通り
であった。太陽が大西洋の海から上り、カリブ海の風も同時に運んできている。潮の匂いが
した。太平洋の海岸育ちの俺は、潮の匂いに敏感である。太平洋と大西洋とカリブ海の匂い
が、どう違うかも感じたかった旅でもあるので、クンクンンと犬みたいに鼻を鳴らして海の匂い
を嗅いだ。大平洋の匂いは果てしない匂い、大西洋の匂いは夢と希望の匂い、カリブ海の
匂いは冒険とロマンの匂いであると思った。そのような詩人的な思いは、いつまでも続かな
く、今日のスケジュールが頭に浮かんできてしまった。今日はオーランドを離れて、キーウエ
ストに向かうのだ。約300km先でアメリカの最南端で夕日を拝みたくなった。今日は素晴ら
しい朝日を拝み、夕日を見送る旅が出来そうだ。
                アメリカ・中国大陸馬賊隊・・・照沼重輝

2015年9月3日木曜日

照沼重輝のアメリカ彷徨記(分離飲食)・・・新17

2015.9.3木 ☁午前6:30
 俺はレストランで食べて、外に出て車の中でビールを飲んでの繰り返しを一二回くり
かえしたら、途中で馬鹿らしくなったり、ビールを飲みたくなくなったりして、それを止め
てしまった。腹も一杯なり、ビールも慌ただしく飲んだので、酔っぱらってしまい、自分
自身が呆れてしまったのであった。レジで感情を済ませて外に出た。大きな窓なので
中が見えたが、同じようなことをやっている人がいるかなと思い、観察をしたがいなか
った。やはり、この方法は日本人でも考え付かないだろうなと思い、一人得意がった。
何を言いたいかというと、どんな国、どんな場所でも臨機応変、工夫、必ずゲット、
目的達成できた喜びを得たことである。何と馬鹿らしい物語でした。
              アメリカ・中国大陸馬賊隊・・・照沼重輝

2015年9月1日火曜日

照沼重輝のアメリカ彷徨記(ビールは車の中、料理はレストラン内)・・・新16

2015.9.1火 ☁ 午前6:10
 料理はレストラン内でビールは駐車場の車の中でやる、という食しかたを初めて経験した。
先ず、アメリカにはアルコールは売ってないレストランが数多くあります。日本人みたいに
晩酌等が習慣としてあまりないようです。但し、アルコールのあるレストランは高級のよう
です。俺がアメリカで多く行ったレストランは殆どアルコールを売っていませんでした。
それだけ中級以下のレストランが多かったというわけです。数少ないが高級レストランに
は数度は行っていますが、どちらか言うと、俺は高級が似合わないのです。そんなことで
オーランドのレストランは、中級以下の食べ放題のレストランに入りました。当然にアル
コールは売っていませんが、中華料理と寿司の食べ放題ですから、俺の胃袋の美食感
と満腹感を満たすには十分です。足りないのはアルコールとなるわけです。店員の目を盗
んで持ち込みをやると面倒くさいことになります。そこで店の駐車場の近いところに車を
移動しました。車内には買い置きの温いビールが数十本あります。俺は次のように考え
行動を起こしました。先ず店内で好きなものを運び、好きなだけ口に頬張り、店外に出て
アルコールは車内で飲んで店に戻る。これを繰り返せば、咀嚼感と喉越し感を味わえ、
貧乏旅行でも満足感が得られると思い、それを実行しました。忙しいが無いよりは良い
ことになります。明日は実行記録を記します。
                アメリカ・中国大陸馬賊隊・・・照沼重輝
ローハイド時代・・・見たかった俺は