2015年7月4日土曜日

照沼重輝のアメリカ彷徨記(大陸横断鉄道と併走)・・・66

2015.7.4土  雨のち曇り 午前6:45
   水戸弁で・・・霧が深く、細浦水田は山水画の雰囲気だったが、誰にも会えなかった。 小高いところに車を停めて列車を待った。ラジオを入れてアメリカ音楽を流し、ムードを 高めた。しばらくすると東の地平線から龍のように長い列車が見えてきた。俺が待って いる地点とクロスするのは5分後と予測した。カーラジオのボリュウムをいっぱいに上げ、 アクセルを確かめ、何時でもスタート出来る体制を整えた。5分間を待ち、クロスする間際 にスタートし、IN 80号線に乗った。「やった、併走できる」と俺は叫んだ。カーラジオは アメリカ音楽を最大のボリュウムで流し続けていた。「やったど、併走できた」俺は西へ 大陸横断鉄道と併走しながら、昔見た西部劇映画の場面を思い出した。列車に金髪美人 それを追う馬上の男、併走しながら列車に飛び乗り、金髪美人と再会をする。しかし、今 の俺の姿は、レンタカーで大陸を一人旅をするわけの分からない日本人だ。周囲に存在 するのは俺の影だけであり、とてもロマンッチックという場面は得られない。ハッと我に返り アクセルを踏んだ。列車はくねくねと走り、坂道になりスピードを落とし、西へなお走ってい る。列車から手を振っている人が見えたので、俺も手を振り答えた。しばらく、併走する 列車は谷間に入ったり、丘に出てきたり繰り返しながら、トンネルに入ってしまった。俺は 一寸がっかりしていたが、数分後、突然左側の谷から出てきたので再会を喜べた。     先ほどのことを数回繰り返しながら、今度は本当の別れになってしまった。車は荒れた 地から木々の多い地帯に入った。ネバダ州からカルフォルニア州に入りつつあった。 目的の6,000kmの地点は間もなくだ。運勢はどう出るかワクワクしてきた。 アメリカ・中国大陸馬賊隊・・・照沼重輝

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