2015年7月20日月曜日

照沼重輝のアメリカ彷徨記(給油所の狩猟者)・・・73

2015.7.20月 快晴 午前6:00
  水戸弁で・・・朝の散歩運動は中止にした、理由は、気が進まなかっただけだよ。
  オレゴン州の片田舎の工事現場で黒人にガスステーションを教わったので、その
方向に一目散に山を下りた。ガスが無いので、アクセルは殆ど踏まないで山を下
った。40Kmは降りただろうか、ガスステーションとは言えないような店があった。
ジーゼル油とガスの計器が2台だけある店である。その店の背景は高い山で店の
前の道路は砂利道、左右の空き地は深い蛇でも出そうな草むらである。何とも頼り
にならないようなガスステーションであった。誰もいない、計器のガラス窓は割れて
いた。本当に油が入っているのだろうか。背筋がゾーッとし、悪い予感がした。
良い予感は当たらないが、悪い予感は当たることを思い出した。そのガスステーシ
ョンには店舗が後ろにあった。店舗内に入る前に大声で「ハロー、ハロー」を繰り返
した。相手に人が入ってきたことを知らせるシグナルである。
   「カムイン」とだみ声が聞こえた。安全を確かめ中に入った途端、六つの大男の青い
目がこちらを向いた。ウイスキー瓶が立ち、その傍らに熊が2匹、鹿が数匹横たわっ
ていた。彼等は狩猟を終えて、互いの獲物を見せあっているようだ。俺は獲物に近づ
いて親指を立てて、彼らの獲物に称賛を唱えた。獲物に称賛を唱えるのは、ハンター
のマナーかなと考えたからである。すかさず、狩猟者達から「サンキュー」の言葉が
返ってきたのであった。彼らの顔はウイスキーで赤くなっていたが、こちらの顔は
若干の恐怖で青くなっていたと思う。なぜなら、狩猟者、数丁の猟銃、ウイスキー瓶、
いたずらがなんぼでも出来る場面だったからである。
                                       アメリカ・中国馬賊隊・・・照沼重輝

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