2015年7月17日金曜日

照沼重輝のアメリカ彷徨記(筑波山のような山)・・・71

2915.7.17金 快晴 午前6:50
  水戸弁で・・・台風が四国に上陸したようだっぺ、こっちにはこねーな、いつもだっぺ。
   ハンドルを左に切ったのが間違いで、右に切らなくてはならなかった。この二分の一
のミスが一日の無駄無謀な時間になってしまった。道路が舗装されていたので安心
して進んだ。とにかく真っすぐで山間に消えていく道路であったから、いつかはどこか
の町に行くんだろうと安心して進んだ。道路の周りの景色は、西部劇で見たブッシュと
砂と岩石の地面である。インディアンやバッファローが砂埃を立てて突進してきそうな
景色である。10月でも道路から陽炎が立っているので外は熱いようだ。
   半日も進んだ頃、やっと一台の郵便車と出会った。そういえば、しばらく他の車と出会
っていない、それほど過疎地域に入ってしまったのかなと気がついた。そして、俺はのん
き者だなとも気がついた。日本で半日も車と会わないと何だろうと思うが、アメリカでは
あまり不思議に思わないで、大陸的な気持ちになってしまうのだ。思わず我に返り、
ガソリンメーターを見た。残量が極めて少なくなっていた。ナビでガソリンスタンドを
探したが、アメリカのレンタカーの旧式ナビは、そんなに親切でなかった。俺は脂汗を
浮かべて、ガソリンの節約走行をしながら登り坂や下り坂を進んだ。メーターは赤ランプ
が点く直前のようだ。益々そわそわびくびく心になってきた。周囲を観察すると、右側が
登れないような崖が切り立った高い山、左が深い崖下であり、とても安らげる地点では
ない。益々淋しいところに入り込んでしまったようだ。今までにガス欠は一回だけある。
若い頃、国道6号線の石名坂でガス欠にあった。友人たちと夜遊びの帰りである。
悪いことを思い出してしまった。地図とナビと西日を照らし合わせ、位置を確かめながら
前に進むほかなかった。
                                         アメリカ・中国大陸馬賊隊・・・照沼重輝

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