2014年12月18日木曜日

2014年までの中国(吉林省の遺棄爆弾)・・・194

2014.12.18木 快晴 午前7:00
   飛行機は長春の飛行場に着いた。同行したなかで誰も一番先に飛行機を降りようとしない。それはそうだ。何が待ち受けているか分からないのだから。私は意を決して一番先に降りようとした。
通路の窓から外を見た。タラップを降りたところから、赤絨毯が敷いてあるのが見えた。その先には、省の偉いような人が先頭に立ち、周囲に遺棄爆弾の係官が数人待ち受けているように見えた。私は竦んだ足を前に出し、タラップの先頭に立ち、一番先に降りた。その前には、カメラマンや
テレビカメラマンが私たちを写すために、並んで身構えていた。私の顔に表情は無い、こわばっていた顔にしか表情はできなかった。私は更に前に進み、一番偉い人の前に立ち、赤絨毯の前で
靴を履いたままで正座をした。もう私の腹はすわっていたので、目に不安の表情は無く、全ての
周囲を見渡す余裕ができていた。私たちを待っていたのは10人くらいであった。長春の飛行場は
寒々感と荒涼感が同居した飛行場のように見えた。遠くに見える山脈の向こう側は北朝鮮の領地
のようだ。最大の困難が待ち受けているのに相応しい地に見えた。なにがあっても相手は人間だ。
山より大きい化け物は無いと心に言い聞かせ、私は春の寒い風を身に纏い、目を皿のようにし
前に進んだ。
                                                  アメリカ・中国大陸馬賊隊・・・照沼重輝

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