2013年10月30日水曜日

1987年の中国(上海の夜)・・・9

2013.10.30 水 雨 午前7:30
 始めての上海とその夜の旅は、無味乾燥の旅にならないように町にスリルを求めて彷徨した。
赤いネオンを探して彷徨っていると、遠くに幽かに小さい赤い灯篭のようなランプを見た。流行る気持ちを抑えてそこに向かう。その途中で僅かに資本主義の兆しを発見した。それは高いビルの谷間の暗闇で蠢いている怪しい人を見た。何かと思い、そこに近ずくとバタバタと本らしいものを大袋に詰め込む慌てる人がいた。私はまだ残っている本を手に取り、その本らしいものを暗闇でよく見た。何とそれは色本の類であった。私は相手に思わず「ノープロブレム」と叫び「ハウーマッチ」と言ってしまった。相手は「・・・・・・」と言ったが、当時の私には中国語は理解できないので「ソリー」と言い、その場から退出した。赤いネオンは餃子屋さんで、私の僅かな上海ロマンは儚く消滅してしまった。始めての上海の感想は、夜は暗闇の町、昼は悪臭の町でした。それからの上海の大発展は全世界の人が認めています。
                 アメリカ・中国大陸馬賊隊・・・照沼重輝

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